箱からおもちゃを全部出し、また一つずつ戻す。積み木を重ねては崩す。同じ歌を何度も聞きたがる。大人から見ると「また同じことをしている」と感じる遊びも、子どもにとっては確かめる時間です。
0〜2歳は、触れる、見る、聞く、体を動かすといった経験を通して、身の回りの世界を知っていきます。遊びと学びはまだ分かれていません。夢中になって繰り返すことそのものが、学びの入り口です。
繰り返すたびに、少しずつ違う
同じ積み木遊びでも、昨日は二つだったものが今日は三つ積めるかもしれません。崩れた音を楽しんでいた子が、今度は倒れない置き方を試すこともあります。結果だけを見ると小さな変化ですが、その間に子どもは手の力を調整し、形を見比べ、次の動きを考えています。
大人がすぐに正しい方法を教えないことも大切です。少し待つと、自分でやり直したり、別の使い方を思いついたりします。保育者は危険がないようそばで見守りながら、その子が何を試しているのかを考えます。
ことばは、やり取りの中で育つ
まだ話せない時期にも、子どもは表情や視線、指さし、声の調子で気持ちを伝えています。大人が「赤い車を見つけたね」「もう一回やりたいんだね」と応じると、目の前の出来事とことばが結びついていきます。
彩の調では、日々の保育に言葉の時間を取り入れています。ただ、ことばを育てるのは決まった活動の時間だけではありません。食事、着替え、散歩、友だちとの遊び。生活の中で交わす一つひとつのやり取りが土台になります。
友だちの存在が、遊びを広げる
同じ場所にいても、初めはそれぞれ別の遊びをしていることがあります。やがて隣の子の動きをまねたり、同じものを欲しがったりしながら、少しずつ相手を意識するようになります。
おもちゃの取り合いも、この時期には自然な姿です。「貸して」と言えないから手が伸びることもあります。保育者が気持ちをことばにし、やり取りを仲立ちすることで、子どもは自分とは違う思いがあることを知っていきます。
遊びを増やすより、よく見る
家庭で特別な教材をそろえなくても、洗濯物をかごへ運ぶ、水を別の容器へ移す、散歩で落ち葉を拾うなど、遊びの種は身近にあります。大切なのは、早く上手にできるようにすることではありません。
何に目を留め、どこで笑い、何度繰り返しているか。子どもの遊びをよく見ると、今おもしろいと感じていることが見えてきます。そこから次の環境を用意するのが、私たち保育者の仕事です。