迎えに行ったとき、「今日はお友だちとけんかをしました」と聞くと、心配になるものです。けがをさせていないか、明日も仲良くできるか。相手の家庭に申し訳ないと感じることもあるでしょう。
けれども、幼い子どものけんかは、関係が悪い証拠とは限りません。同じおもちゃを使いたい、自分の場所を守りたい、思いを分かってほしい。人と一緒に過ごすからこそ生まれるぶつかり合いでもあります。
まず、安全を確保する
たたく、かむ、物を投げるなど、けがにつながる動きがあれば、保育者はすぐに間に入ります。ここで大切なのは、行動を止めることと、その子自身を否定しないことです。
「たたくのは止めるよ」と伝えたうえで、何が起きたのかを見ます。ことばがまだ十分でない時期は、手が出る前にどんな表情をしていたか、何を取られたと感じたかを周りの状況から考えます。
どちらが悪いかを急いで決めない
目の前の場面だけを見ると、一方が突然手を出したように見えることがあります。しかし、その前に何度か断られていたり、遊びを中断されたと感じていたりすることもあります。
保育者は「使いたかったんだね」「まだ遊んでいたんだね」と、それぞれの思いをことばにします。謝ることを急がせるより、まず自分と相手に違う気持ちがあると知ることが、次のやり取りにつながります。
仲直りの形は、一つではない
すぐに「ごめんね」と言える子もいれば、少し離れて落ち着く時間が必要な子もいます。別のおもちゃを渡す、壊れたものを一緒に直す、しばらくして同じ遊びに戻る。子どもなりの関係の結び直し方があります。
彩の調では、子どもが自分の気持ちを表し、相手の思いにも目を向けられるよう、日々のやり取りを大切にしています。年齢に応じて、協働ゲームや話し合いを取り入れることもあります。
家庭へは、出来事の前後を伝える
けんかがあったことだけでは、家庭は必要以上に不安になります。園からは、何をきっかけに起きたか、保育者がどう関わったか、その後どのように過ごしたかまで伝えることが大切です。
家庭では、詳しく聞き出そうとしすぎず、「そうだったんだね」と受け止めてください。同じことが続く場合は、園と家庭で最近の変化や関わり方を共有します。けんかをゼロにするのではなく、人と折り合う力が育つように支えていきます。